【院長コラム Vol.8】矯正後に後戻りするって本当?──保定の大切さとリテーナーの種類

こんにちは。広島駅北口エリアの 広島タワー歯科・矯正歯科の院長です。

矯正相談の終盤で、皆さんからよく聞かれる質問があります。
それが
「矯正って、終わったらもう一生そのままですか?」
というもの。

実は、矯正後の歯は そのままにしておくと少しずつ元の位置に戻ろうとする力 が働きます。
これを “後戻り” と呼びます。

そこで必要になるのが、治療後にしっかり歯を安定させる “保定(ほてい)” の期間です。

今回は、
● なぜ後戻りが起きるのか
● 保定がどれくらい大切なのか
● リテーナー(保定装置)の種類
について、わかりやすくお話しします。


■ なぜ「後戻り」は起きるの?

矯正治療では、歯だけでなく 歯を支える歯周組織(骨・歯ぐき) もゆっくり変化していきます。
しかし、骨や歯ぐきが新しい位置で安定するまでには 時間が必要 です。

その間は、

  • 元の位置に戻ろうとする力
  • 生活習慣(舌のクセ・食いしばり)
  • 歯並びを乱す癖(指しゃぶり・うつ伏せ寝等)

などの影響を受けて、
歯が少しずつ動いてしまう のです。

これは矯正が上手くいっていないわけではなく、
人間の歯の仕組みとして“自然な反応”です。


■ 保定(ほてい)が必要な理由

そこで必要なのが “保定”

保定とは、調整が終わって歯がきれいに並んだ状態を、
リテーナー(保定装置)で固定する期間 のことです。

● 保定期間はどれくらい?

当院では、
最低1〜2年 の保定をおすすめしています。

特に以下の歯並びは後戻りしやすい傾向があります:

  • 叢生(ガタガタ)
  • 出っ歯(上顎前突)
  • すきっ歯(空隙歯列)
  • 噛み合わせが深いタイプ

矯正後しばらくは、リテーナーが“最後の仕上げ”です。
ここをしっかり行うことで、
矯正の効果を最大限キープできます。


■ 保定装置(リテーナー)の種類

当院で扱う代表的なリテーナーは3種類。
それぞれ特徴があるので、分かりやすく比較します。


① マウスピース型リテーナー(透明タイプ)

◎メリット

  • 透明で目立たない
  • 違和感が少なく話しやすい
  • お手入れしやすい

△デメリット

  • 取り外し式なので、使い忘れのリスク
  • なくさないよう注意が必要

人気 No.1。
見た目を気にする20〜30代女性に最も選ばれています。


② ワイヤー+プレート型リテーナー(ホーレータイプ)

◎メリット

  • 歯をしっかり安定させやすい
  • 多少の微調整が可能

△デメリット

  • ワイヤーが少し見える
  • 発音が慣れるまで気になる人も

しっかり保定したい人向けの“王道タイプ”。


③ 固定式リテーナー(歯の裏側に接着)

◎メリット

  • 自分で取り外す必要がない
  • 見えないので審美性が高い
  • 長期保定が必要な症例に最適

△デメリット

  • 歯磨きにコツが必要
  • 剥がれた場合は再接着が必要

前歯が後戻りしやすい方に特におすすめ。


■ 保定を怠るとどうなる?

実は、矯正後に
「リテーナーをサボってしまって歯が動いた…」
という相談は珍しくありません。

後戻りが進むと
再矯正が必要になる場合 があります。

矯正治療は1〜2年以上の大きな投資です。
だからこそ、治療後の保定をしっかり行い、
“せっかく整えた歯並びを守る”ことがとても大切です。


■ 最後に:矯正の成功は“保定まで”がワンセットです

矯正治療は、装置が外れたらゴール…ではありません。
美しく整った歯並びをずっと維持していただくために、
保定は必要不可欠な最後のステップ です。

当院では、
患者さん一人ひとりに合ったリテーナーを提案し、
装着方法・お手入れ・使用期間まで丁寧にサポートします。

広島市で矯正を検討されている方、
また「後戻りが心配」という方も、
まずお気軽にご相談くださいね。

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