【院長コラム Vol.14】

抜歯矯正と非抜歯矯正、どうやって決めるの?

──誤解されがちな“抜歯の本当の意味”

こんにちは。広島駅北口エリアの広島タワー歯科・矯正歯科の院長です。

矯正相談の中でも、特に質問が多いテーマが
「抜歯になりますか?」「絶対に抜きたくないんですが…」
という“抜歯”に関する内容です。

嫌なイメージがつきやすいのも分かります。
しかし実際は、
抜歯=悪、非抜歯=安心
という単純な話ではありません。

今回は、
◆ 抜歯と非抜歯をどう判断するのか
◆ なぜ抜歯が必要な場合があるのか
◆ 非抜歯でも可能なケース
をわかりやすく解説していきます。


■ 結論:見た目・噛み合わせ・健康の3つで判断します

矯正治療では、
①歯並びの美しさ
②噛み合わせの機能
③将来の歯の健康

この3つのバランスを最適化する必要があります。

抜歯が必要かどうかは、
この3つが 無理なく整うかどうか によって決まります。

つまり、
「抜く・抜かない」を患者さんが選ぶのではなく、
口の中の状態が決める

といったイメージです。


■ 抜歯矯正が必要になる主なケース


① 顎のスペースが足りない

歯が並ぶ場所が足りないと、
無理に非抜歯で並べると歯が外に飛び出したり、
歯ぐきが薄くなったりしてしまいます。

→ 抜歯でスペースをつくることで

  • 歯並びの安定
  • 歯ぐきと骨の健康
  • 横顔のバランス改善(口元が下がる)
    が期待できます。

② 口元が前に出ている(口ゴボ)

非抜歯だと口元のボリュームが残ってしまうため、
Eラインを整えたい方は抜歯を選ぶケースが多いです。


③ 噛み合わせのズレが大きい

骨格的なアンバランスやズレが大きい場合、
抜歯して噛み合わせを合わせるスペースを確保することがあります。


■ 非抜歯でできるのはどんなケース?


① 歯が小さい・顎に余裕がある

スペースが十分あれば、抜歯不要できれいに並びます。


② 歯列の前後幅を広げられる

歯列の形を整えたり、歯の幅を微調整することで
スペースを作れる場合があります。


③ 成長期の子ども(ケースによる)

顎の成長を利用できるため、非抜歯での選択肢が広がります。


④ 軽度のガタつき・噛み合わせは正常

比較的動きが少ない症状は非抜歯で対応可能です。


■ 抜歯・非抜歯を決めるとき

もっとも大切なのは「横顔」と「歯ぐき」の未来

実は、抜歯の判断は
見た目だけでなく、歯ぐきの将来 に大きく関わります。

✔ 無理に非抜歯にすると

  • 歯が外側に傾く
  • 歯ぐきが薄くなる
  • 将来ぐらつきやすくなる

というリスクがあります。

逆に、
適切な抜歯は見た目と健康の両方を改善します。


■ 「なるべく抜かずに治したい」方へ

多くの患者さんがこのように希望されます。
当院ではその気持ちを尊重し、まずは
非抜歯の可能性を最大限に検討 します。

それでも、
“非抜歯だと将来のリスクが大きい”
と判断される場合のみ、理由を丁寧に説明します。

患者さんの希望と医学的根拠を両立する
“オーダーメイド治療”
がもっとも大切です。


■ まとめ:抜歯の有無は「診断」がすべて

抜歯の判断には、

  • レントゲン(セファロ)
  • 顎の骨の厚み
  • 横顔の分析
  • 噛み合わせの角度
    など、多くのデータをもとに精密に分析します。

そして、
“最も美しく、最も健康で、最も長く安定する”
治療方法を提案します。

もし、
「抜歯するべきなの?」「抜かずに治したいけど可能?」
と迷われている方は、いつでもご相談ください。

あなたの口元にとってベストな選択を、
一緒に見つけていきましょう。

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